『家族信託』って何ですか?
今注目されている財産管理の手法です
『家族信託』(又は「民事信託」)、最近テレビなどのメディアで紹介されることも増え、耳にしたことがある方も多いのでは無いでしょうか。
「認知症対策」や「数世代にわたるの相続対策」として、今まで対策できなかったことにも対応できる仕組みとして注目を集めています。
しかし、財産を「家族に信託する」と説明を受けても、「いまいちピンとこないんだけど。。。」という方も多いでしょう。
「譲渡する」「貸す」といったイメージし易いものと異なり、「信託する」のイメージを持ち難い、ということが家族信託導入のネックとなりがちです。
ここでは、まず皆様に家族信託のイメージを持って頂けるよう、解説をしていきます。
そもそも、『信託』とは
① 自身(=委託者)の財産を、
② 信頼できる人(=受託者)に託し、
③ 家賃などの利益を貰う人(=受益者)のために、
④ 特定の目的に従って、管理・処分して貰う
財産管理の手法です。
...いざ、説明を受けてみても「委託者」「受託者」「受益者」など
聞き慣れないキーワードが多く、もっと混乱してしまうかもしれませんね。
まず、ここではそんな方達のために、「ざっくりとしたイメージ」を持って頂ければと思い、次のようなイメージ図を作成してみました。
このようなイメージから、実際の家族信託では...
上図のようにリンゴの木をイメージしてから、下図の仕組みをご覧頂くと、少し分かり易いかもしれません。
ご本人のため、信頼できるご家族が預り・管理し、権利(財産権)はご本人の元に残るというのが家族信託の最もオーソドックスな設計です。
(このような自分のための信託設定を『自益信託』(自分が受益者となる信託)と言います。自益信託では、贈与税や不動産取得税の負担無く導入できる(※また、登録免許税は5分の1)ことも、注目を集めているポイントです。
※ 過去に、認知症対策・資産管理などを主な目的として生前贈与などを検討した結果、贈与税・不動産取得税・登録免許税の負担が大きく、手続きを諦めなければいけなかったケースに対応できることがあります)
また、既に投資用不動産を外部の管理会社に預けていらっしゃる方は、「不動産管理会社」をイメージしていただくと良いかもしれません。
家族信託では、「受託者(ご家族)が管理会社のように、テナントの賃貸借契約をし、賃料を受け取るなどの管理をしたうえで、受益者(ご自身)が賃料の利益を貰っていく。」というような設計をすることができます。(引き続き、受託者を経由して外部の管理会社に依頼する設計も可能)
また、家族信託を用いることで、不動産の売却、大規模修繕などのメンテナンス、建替え、買い換え・担保設定(ローン借入れ)などの、単なる管理委託以上の権限を受託者(ご家族)に託すことが可能になります。
(権限は信託契約で定めますので、「売却する権限は与えない」等、ご希望に合わせて柔軟に設計することができます)
信託の仕組みはなんとなく分かったけど、財産をわざわざ家族に預ける必要があるのかしら…
家族信託をすると、何かメリットがあるの?
家族信託の仕組みを用いて、次のようなことを実現することができます。
① 資産の運用・相続税対策を継続的に進めたい(認知症リスク対策)
② 財産の承継先を数世代先まで指定したい(受益者連続型信託)
③ 障がい等を抱えたご親族に対するサポートの仕組みを作りたい(福祉型信託)
④ 所有する自社株式を円滑に承継したい(事業承継)
⑤ 財産の共有による負担を解消したい(共有対策) 他
中でも特に、①認知症リスク対策(認知症により資産が凍結されることを防ぐ仕組み)として利用が広がっています。
図の中で、信託財産を預かった託郎さん(受託者)は信託契約に定められた権限に基づいて、信託財産の処分・運用を行うことができます。
仮に、信夫さん(委託者・受益者)が認知症になってしまった場合でも、託郎さん(受託者)の判断で売却や重要な財産処分などを継続して行うことができます。
家族信託を利用せず、不動産などの資産を信夫さんの名義のままにしておいた場合、信夫さんが認知症になってしまうと、財産の処分・運用行為ができなくなり、資産が凍結状態となってしまいます。
(場合によっては、マンションの大規模修繕の契約ができなくなるなど、資産運用に致命的とも言える状況となることもあり得ます。)
生活資金の確保などの理由があれば、成年後見制度などを利用して、家庭裁判所の許可を得た上で資産を売却をするなどの手段はありますが、許可を得る為の時間・手間が大きくかかります。また、家庭裁判所の監督による成年後見制度の下では、資産運用・相続税対策を理由とした財産の処分行為は原則として認められません。
つまり、家族信託などの準備をしていないまま本人が認知症になってしまうと、現在のどのような制度を利用しても積極的な資産運用や相続税対策をすることができなくなってしまう結果となります。
そのため、将来認知症になってしまった後でも信頼できる家族がスムーズに資産を管理できるように、家族信託を利用する方が増えているのです。
(ご本人が認知症になってしまった後では、信託契約ができないので、しっかりと判断できるうちに信託契約をしておく必要があります。)
財産を任せたい親族はいるけど…
ちゃんと管理してもらえるか心配……
ご希望に合わせて、適切に財産管理されていることを監督する第三者を置くこともできます。
受託者がしっかりと信託目的に沿った財産管理をしていることを監督する「信託監督人」や、受益者のために権利行使を代理する「受益者代理人」を置くことができます。
家族信託は、皆様の不安に思っていること、前提となるご事情をしっかりと確認し、設計する必要があります。
場合によっては、家族信託ではなく、他の方法による事が皆様にとって最善の選択肢となることもあるでしょう。
ピクシスでは、生前贈与・遺言書作成・成年後見人・遺産承継業務として多数の実績があり、家族信託という手法一つにとらわれず、メリット・デメリットを他の制度を比較したうえで、皆様にとって最も良いと思われる解決策を提案させていただくことが可能です。
最終的な目的は「家族信託を導入する」ことでは無く、「皆様の抱えている不安・課題を解消する」ことです。
その実現のために、当事務所の持つ知識・ノウハウをもって皆様に最大限のご提案・サポートさせていただきます。
※ 司法書士には業務上知り得た情報について守秘義務が課せられているため、ご相談の内容が他人に知られてしまうことはありません。
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